今回は、保育士が子どもと愛着形成を築くために試してほしい8つのポイントをまとめました。
- 最近、あの子の様子が変…(不安定)
- なかなか慣れてもらえないな
- 新しい子が入園した
「子どもと信頼関係を作りたい」「より深く関係を構築したい」と考えている方は、読んでみてください。(子どもと保護者の愛着形成にも応用できます)
ポイント1 子どもの目を見て笑う、話しかける
食事、オムツ交換(排泄)、遊びの中で何度でも子どもと目を合わせ笑いかける。
当たり前のことですが、周囲にほかの子どもがいたりするとなかなか難しかったりします。
こちらが反応すれば子どもも返してくれるんですよね。
私の経験を一例としてご紹介します。
授乳中に視線の合わない子を担当していたことがあります。
こちらは、話しかけながら目線を合わせようとしているのにきょろきょろしていて落ち着きがないのです。
園でお母さんに授乳をお願いしたところマットに寝ている状態でミルクをあげていました。
その後、園で繰り返し抱っこして目を合わせ話しかけながら授乳したところしばらくすると視線が合うようになりました。
子どもって見ていないようで保育士をしっかり観察しています。
自分から「こっち見て!」と表現できる子は正直助かります。ですが、言えない子がいることも考慮して保育していきたいですね。
ポイント2 保育者と子どもが一緒に行う
子どもは、成長するとできることが増えてきますよね。
年齢、発達にあった“一緒に行う”ことも子どもと愛着形成を築く一つの方法です。
- 玩具で一緒に遊ぶ
- その子にあったお手伝いをお願いする
大切なのは、その時に行うコミュニケーションやスキンシップ。
「机を隅っこまで丁寧に拭けたね」「ブロック高くつめたね。」などできたことや成功したことを認めていきましょう。
頭を撫でたり、肩をトントンと触れて「先生、助かったよ。ありがとう」とスキンシップを交えていくと「またやろう!」と心が満たされていくと思います。
子どもの中に自信も育まれます。
ポイント3 保育者はいつでも安全基地!
子どもの出すサインに反応し、優しくいつも同じように対応していくことで「先生にいつでも助けてもらえる。」と保育士を安全基地と認識します。
大好きな大人(保育士)から受け止めてもらえる自分は“愛される価値のある人間だ”と自分を受け入れることができます。
ポイント4 保育者からハグしよう!
子どもが保育士とのスキンシップを求めて近寄ってきた時は、可能な限りその欲求に応えてあげましょう。
不安や悲しみなど自分の心に変化があった時などに保育士に抱っこやハグを求めてくることもいるでしょう。
その気持ちに寄り添って、欲求を満たすことで子どもは安定を取り戻して生活に戻ることができます。
安全基地があるからこそ、子どもは安心してチャレンジできます。
ポイント5 同僚、保護者の愚痴はNG。安定した人間関係を作ろう
大人の人間関係に子どもは敏感。
「夫婦喧嘩は、子どもに見せるな!」って言いますよね。
それと同様で、保育士同士の愚痴やいじめ、保護者への不満は子どもにとって悪影響です。
子どもは、大人が笑顔で過ごしていて、温かい雰囲気を作っていると自然に安心できる場所を見つけます。
一つ私が反省したエピソードをご紹介します。
新しく入ってきた年配の保育士とどう接していいかわからず、保育室がぎくしゃくしたことがあります。当然、子どもたちは落ち着きがない。よく泣くし、かみつきなどのトラブルもたくさんありました。
その後、話し合い、人間関係をクリアにした結果…
子どもたちも集中して遊べるようになり、子ども同士のトラブルも減りました。
他にも優しさや助け合っている場面を見る環境であればそれも学んでいきますよね。
「ギクッ!」とする例だと…子どもの模倣やごっこ遊び。
保育士や保護者の口癖や行動を真似しているのを見て、「言葉遣い気をつけよ…」なんて反省することはないですか?(私はあります…日々反省)
ポイント6 発達に合わせた安全管理をする
子どもの行動を「それはダメ!」とつい止めがちな先回り保育。
なんでもかんでも「ダメ」と制限される環境で子どもは育つことができるのでしょうか?
チャレンジする心が縮むんですよね。
必要なのは、子どもの発達にあった安心して遊びに夢中になれることです。
ポイント7 失敗したら、さらに丁寧に教える
「こんなこともできないの?」
「さっき言ったのに」
失敗を見ると「だから言ったのに…」なんて言葉を使いたくなりますが…。
実際は、保育士の伝え方が悪かったなんてケースもあるわけです。
- タイミングが悪い
- 具体的じゃない
- 難しい言葉を使っている
まずは、自分の伝え方を振り返るといいですよね。
それに丁寧に教える方が子どものやる気も引き出せて効率的です。
相手に迷惑をかけた時は、しっかり叱りましょう。
子どもは年齢に合わせて、その社会で生きるルールを学んでいく必要があります。
- 道路に飛び出す
- 危ない遊びをしている
- 相手に迷惑になるような行為
きちんと向き合って話をしましょう。
やめてくれた時は「先生のお話聞いてくれてありがとう」と伝えてあげてくださいね。
ポイント8 言葉のシャワーを浴びせよう
乳幼児期は、喃語から言葉を獲得し、会話できるように発達していきます。
それは言葉のシャワーをたくさん浴びて、子どもが学習していくから。
勝手にしゃべれるようになるわけではありません。
乳児期の言葉を獲得していない時期であっても言葉はとても大切です。
花を見て「きれい」「かわいい」
綿を触って「やわらかい」
水は「つめてい」
どれも見て、聞いて、触って確かめる。
一緒に経験して、結びつけていく必要がありますよね。
たくさんの言葉を覚えた子どもは、コミュニケーションがとれます。自分の思いにあった言葉を活用できるようにしていきたいですね。
【愛着の本 おすすめ】新人保育者・乳児担任の先生必見!
「愛着は大切」って知っているけど、実際にどこまで正しく理解しているか?ってわかりませんよね。
愛着の書籍は小難しいものも多くて…敷居が高い。仕事の忙しさを優先してつい後回しにしがち。
でも、今回紹介する2冊はスラスラ読めます!それにきになる章から読んでも理解できるし、活用できるという優れもの。
立ち読みでも良いので手にとって見てほしいな。
わからないことがあると、人間って不安になりますよね。保育者も一緒で、子どもの状態に関する基礎的な知識が欠けていると保育者自身の不安や苛立ち、自信のなさに直結します。
ぜひ、わかりやすい本で知識を蓄えて実践に繋げてほしいなと思います。
保育力UP!シリーズ 0.1.2歳児 愛着関係をはぐくむ保育
非認知能力と愛着についても書かれています!
子どもの姿ごとに解説がついているので、初めての乳児でも安心。
例えば…泣き・ぐずり・反抗・甘えなど…どれも保育者が「どうしよう?」と対応に悩む姿ですよね。
子どもの心に寄り添うという視点で
- 不安
- こだわり
- 葛藤
がピックアップされています。子どもの心のキホンが解説されています。
子を愛せない母 母を拒否する子
今回の愛着形成の8つのポイントが紹介されている書籍です。
愛着がうまく築けないケースや愛着障害になった弊害について書かれています。
まとめ
愛着を形成していく8つのポイント。
すでに実践済みな素敵保育士さんもいるでしょう。
「最近、忘れかけてたかも…」と思った方はぜひ一つから初めてみてくださいね。
すぐには効果が表れないかもしれませんが、きっと子どもとの関係が劇的に変わるはずですよ。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの書籍を手に取ってみてください。
保育方針でなかなか愛着形成を実践できない方へ
愛着形成が大事だとわかっていても集団保育を重視する保育園はあります。
私もいくつかの保育園で働いた経験があるのでその違いにびっくりしています。
もし、子どもとの愛着形成を築きたい!極めたい!という方は小規模保育所での勤務を考えてみてください。(大きな法人であればグループ内での運営しているところもあります。)
参考小規模保育所のメリット・デメリット。どんな保育士が向いている?
進んでいるところだと育児担当制保育を実践しており、一人一人の成長に合わせた保育を行なっています。より、子どもと信頼関係を作れる環境で仕事をしたい!と考える方は読んでおきましょう。