『子どもと特定の養育者の愛着は大切』とよく耳にしますよね。乳幼児期に携わる保育士にとって愛着はあたり前のこと。なのに学校の授業では時間を割いて教えてくれない。
だから、実際現場に入ると困ってしまうんですよね。
先輩たちは「見て学べ!」のスタイル。それに愛着の大切さなんて誰も解説してくれません。知っている事前提だから…。
困っているのは、目の前の子どもと自分。学び取っている時間などありません。
- 愛着ってなあに?
- どうやって形成するの?
- 日々の保育では何に気を付ければいいの?
今さら聞けない「愛着とはなんぞや?」をお話したいと思います。
愛着ってなぁに?
愛着とは"子どもが特定の大人に対して抱く情緒的な結びつき"をいいます。
子どもが「この人なら、ありのままの自分を受け入れてくれる」「安心するな」と感じることができる関係です。
愛着は、人生をよく生きてくうえで基盤となるもの。「周囲(人間)を信頼していいんだ」「自分は愛される価値のある人間だ」と子どもは知ることができます。
愛着形成で大切なのは特定の養育者
特定の養育者とは、主に養育を担当する人。一般的には母親が多いですが、父親や祖父母などが特定の養育者である事も十分にありえます。
1日の大半を保育園で過ごす子どもたちは、担当保育士も特定の養育者にあたります。
子どもそれぞれにある癖(サイン)を敏感に読み取ってお世話していくことで愛着は形成されていきます。
大人側の対応にばらつきがあると子どもは混乱します。大切なのは、いつも同じ対応をしていくことです。
愛着形成の基本は子どもの欲求を満たすところから
愛着は"不快→快"のやりとりの中で結ばれていきます。
(例)空腹という不快
お腹が空いて赤ちゃんが泣く(不快)
↓
抱き上げて授乳する
↓
満腹になり抱きしめられることで安心する(快)
その他にも子どもが満たしてほしい欲求はたくさんあります。
- オムツが汚れている
- 眠たい
- 甘えたい
- 遊んでほしい
それを特定の人が取り除いて快にかえることで子どもとの愛着が結ばれていきます。
なので、保育園であっても子どもの欲求を満たすことが愛着の形成に基礎なんですね。
特定の保育者が食事、排泄、睡眠を担当する大切さ。
子どもにとって一番の理解者であることが示せればいいんですが…。
保育園ではたくさん子どもがいる中の一人。時間を割くのはなかなか難しいですよね。
でも、ちょっと考えてみてほしい。
子どもにとって一日の大半を過ごす保育園。
そこが安心できる保育者・場所がなければ子どもはどうなると思いますか?
- クラスでトラブルが増える(かみつきなど)
- 泣く子が続出
- 指しゃぶりなどのサインが増える
どのタイミングで崩れてくるかは子ども次第。
時間を割くのが大変だと思ってそのままにしていると、そのつけは絶対回ってきます。倍以上の時間をその子のために使うことになるでしょう。
『じゃあ、どうするの?』というお話。
排泄、食事、睡眠、遊び…日々の生活で子どもと1:1で過ごす時間を作る。
その特別な時間には個人差もあります。5分でいい子、15分ほしい子などみんなまちまち。
子どもをよく観察して、『この子にはどれくらい時間が必要なのか?』を見極め適切に接していく。
時間の確保が難しい時は周りの保育士と協力して、1対1の特別な時間がどこかで持てるよう配慮していきたいですね。
- 膝の上にのせて本を読む
- トイレで過ごす1:1の時間
- 二人でこしょこしょ話
- 抱きしめたり、撫でるなどのスキンシップ
日々の保育で気を付けたいポイントをまとめた記事はこちら
保育士が子どもと愛着形成するために今日からできる8つのポイント
子どもにとって『今は、あなただけを見ているよー』という時間ってとても嬉しいこと。
「先生、ぼくのこと見ててくれる」「先生は、わたしのことわかってくれる」
その積み上げが愛着につながっていくんでしょうね。『この先生は私をわかってくれる』を感じている子どもは強いですよ。
だから、私は育児担当制が好き
私は子どもと保育者の愛着形成が一番大切だと、信じきっているので…子どもを世話する保育者がコロコロ変わる仕組みは好きではありません。
特定の保育者とゆっくりじっくり関わりながら、生活が流れていく育児担当制。
私はこの保育スタイルが大好きです。
書類だけの担当などで「うちは担当制」と言っている園もありますが、不思議で仕方ありません。
もっと勉強してから出直して欲しいです。
愛着の必要性を実感するおすすめの本【子を愛せない母 母を拒否する子】
「愛着」って本当に大切なのか?
と疑問に思う方にぜひ読んでいただきたいのが、【子を愛せない母 母を拒否する子】です。
愛着が欠けた事による愛着障害についてや欠けた子どもの言動などについて書かれています。
イラストや事例も乗っているので、読みやすいですよ。
0歳児、1歳児、2歳児を担当する保育士におすすめ
この本を紹介している記事はこちら↓
乳児担当ならぜひ【0.1.2歳児 愛着形成をはぐくむ保育】を読んでみて!
まとめ
愛着形成って大切なんだけど、小難しい。
忙しいと目に見えないので、蔑ろにしてしまいそうになります。
日々、意識して保育していきたいですね。