多くの保育園では、年間計画にそって行事を行なっています。
誕生会をあわせると月に2つや3つ行事が入ってくることも。
計画的にやっていかないと後手に回りがちですよね。
「一生懸命やったのに…」
頑張って準備したのに失敗し
保育者の環境設定や導入によって子どもたちの反応や行事の明暗がわかれます。
行事を成功させるために、知っておきたいことをお伝えします。
保育園の年間行事はどんな物があるの?
年間行事を一覧にまとめてみました。
こんなに行事を行っているんだ…と表をまとめて行事の多を再度認識。
(ピンク色の線が行事の準備期間・子どもたちへの導入期間。)
- 園によってはもっと早くから取り組む
- 「うちは行事もっとある!」という園
- 被っている期間も多い…
これに普段の保育や保育計画(月案や個人計画など)と業務の書類、園だよりに急な保護者対応。
膨大な量なので、計画的に。やっつけ仕事を回避することができます。
導入は計画的に。行事の1か月半前くらいがおすすめ
行事は楽しそうにしているのに子どもの反応がいまいち…
と感じることはありませんか?
実は、一年目の私がそうでした。
もちろん、行事の事前準備が大切だと知っていました。
一生懸命準備をするのに子どもの反応はいまいち。
「成功したー!!」という実感がつかめずにいました。
ある行事の絵本を手にいれ、1か月前くらいから読み聞かせやお話をするようにしました。
行事に向けて、一緒に制作したり、繰り返し絵本を読んだり。
「楽しみだね」なんて会話をしながら、本番を迎えました。
結果、子どもたちはとても喜んでくれました。
今までの行事とは、明らかに反応が違いました。
「導入するってとても大切なんだ!」と実感しました。
私がそれまでしていたのは、準備。
その会で行ったのは、準備と導入。
そこから私の行事準備に対する考えは大きく変わりました。
では、保育に欠かせない育所保育指針では行事をどう捉えているのでしょう?
保育所保育指針から見る行事とは?
私たち保育士が保育に行き詰った時に振り返りたい保育所保育指針。
保育士のマニュアル的存在ですね。
行事を考える上で押さえておきたい箇所はどこでしょう?
第4章 保育の計画及び評価
1保育の計画
ウ 保育課程は、子どもの生活の連続性や発達の連続性に留意し、各保育所が創意工夫して保育できるよう、編成されなければならない。
2指導計画
ア 指導計画の作成
(ウ) 保育所の生活におけるこふぉもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化なおを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。
ずらずらと指導計画について書かれている中でも押さえておきたいポイントは3つ。
- 保育と関連付ける
- 行事を通して発達を促す
- 子どもの姿にそった具体的なねらいと内容
養護と教育の視点から子どもの心情・意欲・態度が育つように行事前から伝えていくことが大切です。
導入もその視点を踏まえて行いましょう。
1.保育と関連付ける
行事は、独立したものではない
ということも頭に入れておきましょう。
例えば、制作。
「今日は、制作するよ!」と突然始めますか?
きっと導入から丁寧に行っていくと思います。
- 絵本を読む
- 保育中に話の中で意欲を盛り上げる
- 見本を見せたり、説明をする
一つ制作を行うだけでも、たくさんの手順を踏んでいきますよね。
どんな活動でも保育の中で展開していると思います。
行事も一緒。
1日の保育の流れに寄り添い、前後の活動と関連性を持てるよう保育をしていきます。
2.行事を通して発達を促す
行事はただ楽しむだけではありません。
その中で子どもたちに小さな変化を起こすことが大切です。
例えば…クリスマス。
- クリスマスを知った
- サンタさんって単語を覚えた
- 歌が流れると身体を揺らして楽しむようになった
行事の日だけでできるようになるわけではないので、日々の保育で伝えていきます。
保育と関連付けていくからこそ、子どもの発達を促すことができます。
3.子どもの姿にそった具体的なねらいと内容
1と2を踏まえて具体的なねらいと内容を考えていきます。
子どもの姿・ねらい・内容の復習から。
子どもの姿:生活する様子も遊びも関心も様々。その姿を捉えます
ねらい:子どもに育ってほしい行動や能力、情緒への願い
内容:ねらいを達成するための方法や遊び
この3つを踏まえて順を追って計画していきます。
- 日々の生活から、子どもの姿を把握する
- 育ってほしい願いをねらいとする
- ねらいを達成するための具体的な方法を計画していく。
子どもの姿は、様々。同じ年齢でもその年によって、姿が大きく変わります。
一人で把握しきれなければ、クラスの担任や学年の先生たちと相談することも必要ですよね。
また、子どもたちの発達や保育をしていく上で欠かせない保護者。
保護者と行事の関係性はどうなっているのでしょうか?
保護者と行事を関連付ける
行事は、保護者に子どもの保育生活や発達を知ってもらえるチャンス。
写真で紹介すると、言葉で話すよりも、イメージしやすいのでおすすめです。
プラスして、保育者から話をすることでコミュニケーションもできます。信頼関係を築くきっかけにもなりますね!
来年度に活かす反省会をしよう
導入から、反省までが行事の一連の流れ。
反省会はできるだけ早い方が記憶も新しいので意見もでやすい。
- 導入の時期は適切だったか?
- 会の流れ
- 会で使用した道具
- 保育者の動き
- 子どもの様子
会の反省に目が行きがちです。
しかし、導入の時期が適切だったか?という確認もしましょう。
来年度に向けて出た、意見はノートにまとめて保管しておくと役立ちますよ。
大きな達成感を味わえる行事。
しかし、裏かた準備に子どもへの導入…当日、反省会。
1つの行事を成功させるのも大変ですよね。
まとめ
子どもたちの喜ぶ顔が見たい
成功させて盛り上げたい
事前準備から、しっかり実践していくことが成功の秘訣だと思います。
子どもも保育者も楽しい!
それが一番の行事です。
行事を全力で楽しみましょう。
それでも行事はしんどい
行事を成功させるためには、保育者が裏でたくさんの時間と労力を割いています。
中には、行事前になると残業続き、持ち帰り仕事続きでしんどさを感じている人もいるかもしれませんね。
そんな人は、園の行事が少ない園を選択することも可能です。
子どもたちと作る行事はたくさんあります。
保護者と一緒という行事がないだけでも負担はグッと減ります。
(その代わり、4月1日からならし保育なしで全力投球ですが…)