保育士の腰痛は切り離せない悩み。
特に乳児担当のクラスでは、一日中抱っこをしたりする時期もあり新卒1年目で腰を痛めて退職なんて話も聞きます。
保育士の腰痛はもはや職業病です。腰痛持ちのあなたに腰痛に関する予備知識と予防&改善方法について紹介していきます。
保育士の退職原因の腰痛
こちらは厚生労働省の統計となります。
腰痛は理由の少数でしょうが、"自身の健康・体力への不安"を保育士として就業を希望しない人も。複数回答とはいえ就業を希望しない理由3位です。
私自身も腰痛で悩んでいますが、保育士仲間でも腰の痛みを紛らわしながら勤めている人もいます。
一度痛めるとまとまった休みが取りにくいため、安静ににできず完治までたどり着けない。病院に通う時間を作り出すのが難しい。といった点にも保育士が長く腰痛を引きずる原因になっているかもしれませんね。
あまりの痛みに退職を考える保育士も出てくるわけです。
腰痛が労災に認定されるのはほとんどない。
こちらは厚生労働省と労働基準監督署が出している腰痛の労災認定のパンフレットです。
災害性の原因に腰痛では、突発的に起こった出来事で、負傷した場合に適用されます。
(例)保育士業務での例
- 子どもを庇って転倒した際に腰を強打して痛めた
- 行事の準備中、脚立から転落して 腰を打ち負傷した
ぎっくり腰は、日常の動作の中で発症するので労災とは認められない場合が多いようですが、発症時の姿勢や動作に異常性(強い力がかかった)と認められると認められることもあるようです。
災害性の原因によらない腰痛では、毎日の業務が徐々に腰部へ負荷をかけ発症したと認められるものになります。
椎間板ヘルニアについての記述はこちら↓
労災として認定してもらうためには、腰痛(ケガ)が、業務上で起きたと証明できなければなりません。
よって、椎間板ヘルニアやぎっくり腰などを含める腰痛は日常の姿勢や動作の積み重ね、運動不足などの面もあるので、認定は難しいようです。
詳しいことが知りたい方は、最寄りの都道府県労働局か労働基準監督署に問い合わせてみると良いでしょう。
腰痛が悪化するとどうなるのか?
腰痛の85%は見えない腰痛と呼ばれ、原因不明だと言われています。残りの15%が見える腰痛と言われ、急性腰痛症(通称 ぎっくり腰)、腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症 などがあります。
腰痛には、心理的ストレスが原因にあったり、内臓の症状が腰痛として感じられることもあるそうです。
消化器疾患、泌尿器疾患、血管外科疾患、女性だと子宮、卵巣疾患などが隠れている可能性もあるそうなので…整形外科で異常が見られない場合、他の科の受診することをおすすめします。
また、原因が特定される腰痛の中には腰が痛いだけが症状として現れるわけではありません。
- 下肢の筋力低下
→動きが鈍い、走れない - 下肢の感覚障害、しびれ
→温覚、痛覚、触覚、圧覚がにぶい - 膀胱・直腸の機能障害
→頻尿、排尿障害、尿閉、便秘など - 片側の下肢痛、足への放散痛
- 下肢伸展挙上テスト
→仰向けで下肢が90度まであがらない
上記のような症状を併せ持っている方もいます。
保育士は椎間板ヘルニアに注意!
10〜30代に患者が多いと言われる椎間板ヘルニアを例にとって、悪化したケースをご紹介します。
また、無理を重ねることでヘルニアは悪化、再発するため術後のリハビリもきちんと受ける必要があります。
ちなみに椎間板ヘルニアは、一日10本以上喫煙するとリスクが20%アップするそうです。
スグできる腰痛予防とは
腰痛対策は、背中や腰が曲がったり、反り返りすぎたりしないことが肝心です。三大原因は「中腰姿勢」「肥満」「タバコ」
座り方は正座、立て膝が腰に優しいようです。正座は膝に負担がかかるので、クッションや正座椅子などがあると便利です。
横坐り、あぐら、体育座り、女の子座りは脊柱のS字状カーブを崩してしまうので、腰に負担がかかります。
立ち方は、重心を体の中心に置くようにしてお腹に力をいれましょう。時々膝を軽く曲げることで腰の負担軽減。片足重心やお腹に力が入っていないと腰に負担がかかりやすくなります。
お風呂に入って身体を暖める、身体にあった寝具・枕で睡眠をとる、ウォーキング、ストレッチ…BMIが25以上の人(範囲が肥満の人)は肥満改善、喫煙者はタバコを控えるなども腰痛には効果があるそうです。
インナーマッスルを鍛える
腰の負担を減らすためには、脊柱や骨盤を安定させるインナーマッスルを鍛える必要があります。腰を痛めて、寝込んでいても出来るのでやってみましょう。
- 膝を曲げた状態で、下腹部を意識して鼻から息を吸い込みます
- お腹の空気を全部出すように口から息を吐き出します
- この動作を20〜30回が目標で3セット行います。
保育士の働き方で腰痛対策
生活習慣の改善だけでは腰痛対策は万全ではありません。日頃の保育の現場で蓄積した腰への負担が痛みやひどい症状を引き起こします。
働くときにちょっと意識を変えると負担が減りますよ。
子どもの抱っこは腰を曲げない
抱っこの仕方が悪いと腰への負担が大きくなります。
詳しい解説がある動画がありますのでこちらを見てください。
整体院での解説では物を持ち上げる際の内容ですが、原理は一緒です。特に0,1,2歳児を抱っこする際は腰を曲げずに、膝をつけたりしてから抱っこしましょう。
ストレッチで腰をケア
ここでは、動画を見ながらやってみましょう。
接骨院の先生の指導
https://youtu.be/OIzvokj8t-8
腰痛改善で人気の動画
全てをやる必要はありません。まずはできそうなものからやっていきましょう。
腰痛対策グッズで予防する
保育士の腰痛対策で使えるグッズをまとめてみました。
コルセット
腰の筋肉の役割を補助するもので、痛みの出る姿勢をとらないようにするものです。
腰が痛く感じたらつけることをおすすめします。
注意点
あくまで、ぎっくり腰などの腰痛予防策です。常に装着すると、筋肉が弱くなってしまい腰痛が起こりやすくなってしまいます。「働くときだけ」を必要なときだけの使用にしましょう。
湿布
湿布には冷湿布と温湿布があり、適当に貼っていいわけではありません。
- 冷湿布:急性の痛みの場合に使います。
炎症を起こしている場合、ぎっくり腰などに使います。
- 温湿布:慢性的な痛みの場合に使います。
お風呂に入ると楽になるような場合は、慢性的な腰痛なので温湿布を使います。
湿布ではありませんが、腰を温めることができるので腰ホットンをおすすめしています。
正座椅子
床に座るときは、あぐらなどの姿勢だと腰に負担をかけます。姿勢を正すためにも正座をします。ただ、足がしびれてくるなどありますので、正座椅子を使うことをおすすめします。
コンパクトな商品なので保育の現場でも使えます。
まとめ
腰の痛みを抱えながら保育をするのはとても辛いです。実際に腰を痛めてしまうと、クセになってしまう可能性もあります。
いつまでも笑顔で、園児を迎えられるように一工夫してみてくださいね。
ちなみに私はヘルニアになってから1年以上整体に通っています。
理学療法士の先生に教えてもらったのですが、筋肉が硬くなると腰痛が悪化するのでストレッチや筋肉を緩める方法が良いそうです。リハビリでも足を揺らしてもらったりしています。
リラクゼーションサロンで受けて体をほぐすのも有効な方法ですよ。
肩こり、腰痛、日々の疲れを感じる保育士はいきましょう。
労災に認定されな場合は傷病手当の制度を使いましょう。