念願の保育士になって数年、あなたは今の自分に満足していますか?
「えっ、保育士資格だけで十分でしょう?まだ何か勉強するの?」と思う方もいますよね。
保育園で働くなら保育士資格さえあればあとは求められません。なので、スキルを上げる必要もなし。
園全体が「子どもの安全だけ見てればOKなの」というなぁなぁな緩い雰囲気であれば数年もすればあなたも染まってしまうことでしょう。
この記事を開いてくれたあなたはそうではありませんよね?
- 保育の質をあげたい
- 保護者支援にも力をいれたい
- 自分磨きをしたい
「今の私から何か変化したい」と感じていることと思います。
子どもと保護者、自分のために何かスキルを身に着けたいと思う向上心のある素敵な方だと思います。
今回は、保育士がスキルアップを考えた時に検討してほいしい資格や勉強スタイルを紹介します。
少人数の子どもを丁寧に保育する チャイルドマインダー
チャイルドマインダーは英国発祥の家庭的保育のスペシャリスト。
「少人数制の保育に興味がある」という方におすすめです。
チャイルドマインダーで保育できる人数は4人まで。家庭的な保育を学ぶことができます。自分で独立や開業するサポートもついているので応用がききます。
「なぜ今少人数の保育を学ぶ資格を進めるのか?」と思う方もいますよね。
それは保育所保育指針の改定で乳児の保育について議論されているからです。
こちらは平成28年12月21日に発表された保育所保育指針の改定に関する議論のとりまとめを抜粋したものです。
0~2歳の乳児保育について少人数での保育を推奨しています。
詳しく読みたい方はこちらへ厚生労働省 保育所保育指針の改定に関する議論のとりまとめ
平成27年より議論の場が設けられているので、改定ももうすぐ行われるでしょう。
少人数の保育について学べるチャイルドマインダーは保育の最先端ですね。
チャイルドマインダーをもう少し詳しく知りたい方へ→【保育士の独立】チャイルドマインダーを取得するにはどうすればいいの?
資格ではありませんが、少人数の保育に興味のある方は育児担当制というシステムを行っている園がおすすめです。(主に乳児)
育児担当制は、個々の生活リズムや発達を大切に流れる保育を行います。(集団ではありません)
子どもの発達にあわせ育児する人数を調整することで、より細かい部分にまで丁寧に伝えていけます。
この本がわかりやすいです。
自分と周囲のメンタルヘルスに関する資格 メンタルヘルスマネジメント検定
仕事やプライベートでストレスを強く感じる、不安や悩みを抱えている人は年々増えています。保育士も例外ではありません。
保護者対応の難しさや自分の保育への不安、職場の人間関係に悩み保育士を辞めてしまう方がいるのが現状です。
ストレスや強い不安や悩みから心の健康を守る方法を学ぶのがメンタルヘルスマネジメント検定です。
こんな人におすすめ
- ストレスの解消方法がわからない
- 自分のストレス状態に気付けない
- どこに相談すればいいのかわからない
- 主任や園長になって部下のメンタルについて知りたい
メンタルヘルスマネジメントは3種類あります。
自分をストレスから守る方法についてはⅢ種に、主任や園長が部下のメンタルヘルスを勉強したい時はⅡ種を勉強します。
Ⅲ種…自分
Ⅱ種…管理職
Ⅰ種…企業人事部など
ストレスから自分や部下を守る方法を身に着けることで、こんないい効果がうまれます。
- 自分(職員)がいつも明るく出勤する
- 自分(職員)の心身の健康が守られ、よい保育ができる
- 自分(職員)にゆとりがあるので保護者対応もばっちり
- 職員が退職せずに長く働けるよい職場になる
自分や部下のメンタルヘルスについて興味がある方はぜひ勉強してみてくださいね。
実践的な心理学で相手と良好な関係を作る手法を学ぶ NLP
「心理学は保育に必要なの?」と思いますよね。
確かに大学で学ぶようなお堅い心理学は保育には応用しにくい。
今回、おすすめするのは実践心理学であるNLPです。
NLPは神経言語プログラミングといって欧米の3人の天才セラピストを分析して作られた実践的な心理学。
天才セラピストの共通パターンを誰にでも使えるように工夫されています。
おすすめな人
- 保護者と良好な関係を作りたい
- 職場の人間関係をよくしたい
こんなことが学べます。
- 感情や考え方、行動のコントロール
- 相手の言動を分析する
- 信頼関係をスピーディーに気付く方法
- 自分の信念を変える方法
- 自分のやりたいことを明確にする
- リフレーミング(言葉の言い換え)
保育だけでなくプライベートでも使えるのがNLPです。
- 自分自身に自信がない
- ネガティブな考えしか浮かばない
- 自分がほんとはどうしたいのかわからない
- 上手に自分の気持ちを伝えたい
子育てや夫婦関係、友人などとの関係も良好にすることができます。
保護者支援や福祉の視野を広げる資格 社会福祉士
「もっと保護者支援に力を入れたい」という方におすすめです。
社会福祉士は相談援助のプロになる勉強をします。
保育という狭い福祉ではなく、子どもから高齢者、障害者などの広い福祉を学びます。地域福祉の問題把握や分析、計画、実践を行います。
社会福祉協議会や児童相談所、高齢者施設や障害者施設、病院等で相談業務に携わっている方が多いです。
- 様々な目線(子ども、保護者、保育士など)で考える
- 信頼関係の築き方
- 相談を受ける時の受け方、話し方
- 関連機関との連携
などを学ぶことができます。
保護者支援が重要である、ますます難しい保護者が増えていくことは身をもって体験していますよね。
こちらが援助スキルをあげると、保護者ともよい関係が作れます。
社会福祉士は、保育士と同じ国家資格です。受験資格を取得して試験を合格するという難易度は高め。
保護者とよりよい関係を作っていきたいと感じているならまずは社会福祉士について調べてみるといいでしょう。保育士から社会福祉士になるにはどうすればいいの?
私の経験談を少しだけお話しますね。
私も社会福祉士の受験資格を得るために通信制大学へ入学し、4年生となります。
一年学んだ大きな変化は「子どものことだけを考えて保護者支援をしていた自分に気付いたこと」です。
社会福祉士の勉強をしたことで、保護者のことをないがしろにしていたと反省しました。
子どもが大切、だから保護者も大切にする。
より保護者に身近な保育士でいられるよう心掛けるようになり、良好な関係でいると思います。
保健児童ソーシャルワーカー
社会福祉士と違い、あまり聞かない名称の保健児童ソーシャルワーカー。
子どもの心(心理)と体(医療)の両面からサポートすることを目的として作られた資格となっています。
保育士・幼稚園教諭・養護教諭のいずれかを専門的に履修した学生対象に行われる試験です。
現場に出た時、子どもに関する問題に専門的な知識と技術をもって活躍できます。
一般社団法人医療教育協定が指定した大学・短期大学・専門学校に通学し学び、年に2回行われる全国統一試験に合格後、申請します。
平成27年現在で全国に21か所学べる指定校があります。
- 児童だけに特化している
- 指定校に通学して学んでいく
という点から現役の保育士に取得が難しい資格。どちらかという学生向きの資格といえるでしょう。
今から保育士を目指す方は視野にいれて学校探しを検討するのもいいですね。
病気の子どもをケアする 医療保育専門士
最近では、小児病棟や病児保育で働く保育士もふえています。
「病院に保育士って活躍する場あるの?」と思われる方もいますので、
医療にかかわる保育士の仕事内容を整理してみたいと思います。
仕事内容 | |
院内保育士 | 病院内に設置された医療機関職員のための託児施設で保育する |
病児保育士 | 熱や感染症などで保育園に預けることができない子どもの保育をする |
病棟保育士 | 入院中の子どもたちに遊びやコミュニケーションの機会を提供し、心や身体んケアを行います。(病院によっては医療保育士と呼ぶ) |
医療保育士 | 病棟保育士と仕事内容は変わらない。医療保育士の方が、看護の部分で役割が大きいケースもあり。 |
医療機関で働くからと看護師や医師の資格が必要となるわけではありません。保育士資格があれば採用されます。(求人は狭き門ですが…)
通常の保育園とは違い特殊な知識を身に着ける必要はありますので、常に勉強が必要となるでしょう。
病棟保育士、医療保育士がさらにスキルアップするための資格が医療保育専門士です。
2007年に日本医療保育学会で資格認定制度がスタート。応募資格を満たす必要があります。
応募資格
- 日本の保育士免許を持っている
- 病院、診療所、病児保育、病後児保育、障害児支援施設など特定の施設で常勤1年以上、非常勤年間150日以上2年以上の保育経験
- 日本医療保育学会会員であり、1年以上の会員歴がある
なぜその資格を勉強すると決めたのか明確にする
「なぜ私はこの資格を勉強したいんだろう?」「資格をとった私はどんな保育士・人になるのかな?」と勉強をする理由を明確にしておきましょう。
それが勉強に行き詰った時には「もうちょっと頑張るか」と気持ちを奮い立たせてくれます。
シンプルなものでOK。
(例)
- 社会福祉士→保護者支援が得意になりたい
- チャイルドマインダー→少人数の保育を知りたい
- アロマテラピー→自分を癒したい
- 漢字検定→書類で漢字のミスをなくしたい
- ペン字→連絡帳をきれいな字で書きたい
勉強を始める理由は人それぞれ。同じ資格や勉強でのその理由は異なります。
あなたがどんな理由で始めたのか?でOKですよ。
私の場合は、知的好奇心です。
子どもたちや保護者に還元していきたいという気持ちももちろんあります。でも、何よりも新しいことを勉強している時のワクワクが好きなんですよね。
「勉強した私はこんな風になっている」となりたい自分像に向かっていつも何かを勉強しています。
まずは資料請求をしてみる
何かを勉強しようと思ったときにはまず資料請求しましょう。だいたい資料は無料で早ければ3日、遅くても1~2週間程度あれば届きます。
ポイントは2つ。
- 勉強時間や金額のことは一切気にしない。
- 思ったときにすぐに行動する
時間がたつほどスタートは遅くなる。もしくはスタートせずに終わります。
「資料請求しても始めないかもしれないよ?」と思う方もいるでしょう。
いいんです、それで。
もし、勉強を始めなかったとしても「私はすぐに行動できる人だ」という自信につながっていきます。
勉強のゴールと計画をたてる
資料請求が届き、金額や期間をリサーチした後に勉強のゴールと計画をたてましょう。
常に忙しい保育士。家に帰っても仕事しているなんてことも日常ですよね。
「そんな中でどうやって勉強するの?」と感じてスタートできない人もいます。
忙しい人におすすめな勉強方法は隙間時間と教室・スクールに通うです。
隙間時間を活用する
「勉強にまとまった時間をとることが難しくて…」とい方には自宅で隙間時間を使う勉強方法があります。
こんな人におすすめ
- 家事や育児もあってまとまった時間をとることが難しい
- 一人でもコツコツ物事を進められる
- 計画をたてて行動することが得意
- 隙間時間を使って勉強した
- 時間や日時を拘束されるのは嫌だ
自宅の最大のメリットは「自分がしたい時にすぐ行えること」です。自分のペースで進められるので、無理なく続けることが可能。勉強コストも通学より安く設定されています。
こんな人は向いていないかも…
- 自宅にいるとついダラダラしてしまう
- つい自分には甘くなってしまう
- わからないことを調べるのが苦手
- 計画をたてて物事を行うのが苦手
自宅では勉強は自分でコントロールする必要があるので、自分に甘い人は先延ばししてしまうことがあります。
ある程度人の目があると「やらなければ!」と自分を奮い立たせることができます。そのため、家族や友人に宣言しておくとよいでしょう。
隙間時間ができた時すぐに勉強できる環境を整えることも大切。勉強道具はすぐに取り出して使えるようにしておくといいですよ。
どうしても自分で勉強が進められないと感じた時にはスクールなどの通学に変更しましょう。
休みや平日の夜などにスクールへ通う
「家にいるとどうしても勉強する気になれない。」という方は教室やスクールに通う方が向いています。
こんな人におすすめ
- 自分一人で何かをすることが苦手
- 家にいるとダラダラしてしまう
- 新しい人間関係を作りたい
- わからないことはすぐに質問したい
どこかへ行って、勉強する仲間と先生がいるというのは強制力もあります。
仕事で疲れていても「行かなきゃな」という気分にしてくれます。(家だとそのまま布団へダイブ!ですよね)
同じ目的を持つ仲間と過ごす空間は思ったよりも心地よいものです。
- 新しい人間関係の発掘
- 仕事から離れて気分転換
- 仲間から刺激を受け、さらに向上心UP
自宅で勉強する方法に比べ、かかる金額は高いと思います。
新しい仲間との出会いや勉強がスムーズに進んでいくことを考えるとコスパはよいと思います。
夕方にその予定を組んでいる場合は仕事を終わらせてそこに向かうので、仕事にもメリハリがつきます。仕事の生産性も上がって、処理スピードもUPしますよ。
職場や友人に勉強することを否定される時は?
新しく何かを始めようとしたときになんでも否定する人は周囲にいませんか?
- 「やめときなよ、大変だよ」
- 「それ勉強して何になるの?」
- 「お金の無駄じゃない?」
どこにでも人のすることや考えを否定する人って存在しますよね。
人間関係を壊すことが怖くてやろうと思っていたことを諦めている人もいるでしょう。
- あなた(自分じゃない人)が成功することを好ましく思っていない
- 自分はやれないから、相手もやれないと思い込む
- (続かなかったときに)ほら、だから言ったでしょ。
そんな人を相手にする必要はありません。
メンタリストDaigoさんが周囲の環境について呟いたツイートがあります。
あなたは無意識に、あなたの友人の望む姿に変わっていく。あなたの脳が自分の人間関係に無意識に適応しようとするからだ。
だから、付き合う友人はちゃんと選ぼう。でないとあなたの心はいつのまにか濁ってしまう。
これは職場・家族でも同じこと。
自分をよくしていこうと思ったときに環境が障害になるようでは人生損します。
応援してくれるOR否定せずにいてくれる環境に移るのも大切な要素です。
何かを始めようと思ったら、まず読んでみてください。
まとめ
資料請求は無料であることが多いので、気になるものをすべて取り寄せましょう。
いろんな学校やスクールから取り寄せて金額や期間を比較検討。自分にあった場所がきっと見つかりますよ。
新しいスキルを身に着けようと頑張っている保育士はいます。
子どもや保護者、自分にとって必ずプラスになる。
まずは一歩踏み出してみましょう。