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コラム

保育士給与の引き上げについて現役保育士が思うこと。

先日のニュースで保育士給与が2%増が表明されました。

現役で働いている保育士の身としてはありがたいことです。当ブログでも保育士の給与に関する情報は過去何度か発信してきました。今回の値上げについて思うこともいくつかあります。

今回は、今回の値上げで一体いくら給料があがるのか。現役保育士の立場から今回の値上げについてどう感じているのかをお伝えいしたいと思います。

 保育士給与の値上げは2017年度から

まずは、ニュースを御覧ください。

安倍晋三内閣は、保育・介護分野の人材不足を解消するため、2017年度から保育士については実質2%の給与引き上げを行う考えを表明。介護士についても約1万円引き上げる方針を明らかにした。(中略)保育士の平均月収は約22万円。賃上げは人事院勧告分を含めると約4%になる。首相はまた、技能や経験を有する保育士の処遇をさらに改善する意向も示した。一方、介護士については、勤続年数に応じた賃金体系を構築し、他のサービス業との賃金格差の解消を目指す方針を打ち出した。

保育士給与、2%増

実は、賃金の値上げは今回が初ではなく、すでに行われているんですよね。2015,16年度は補助金として2%の支給があります。

この補助金の支給を決定したのが人事院という機関です。わたしも初めて知ったので調べてみました。

人事院って何?

人事院は、国家公務員の人事管理全般(採用、給与、任免、勤務時間、休暇等)に関する制度を所轄している国の機関です。国家公務員の採用試験、研修もしています。

会社でいう人事部のようなものですね。

さらに保育士については、こんなことも掲げてくれています。

  • 1歳児を6対1から4対1の処遇加算
  • 3歳児の20対1から15対1の処遇加算
  • 4歳・5歳児を30対1から20対1の処遇加算
  • 正規職員中心の基準に改め、さらなる保育の質向上実現
  • 1歳児、4歳・5歳児については保育現場が先行して配置改善を取り組む場合には、加算措置を行うこと
  • 保育標準時間認定に対応した職員配置の改善については、保育単価11/8相当額を要望

処遇改善とともに待機児童の早期解消に向けた保育士等の人材確保推進については、「 国の『保育士確保プラン』の推進のもと保育士の就職斡旋、紹介等の再就職支援等、人材確保施策の推進を引き続き図ること。併せて、養成機関での再就職支援や処遇改善に向けた早急な施策の実施等を検討すること」「 保育士の処遇は民間の他の職種に比較しても低い賃金水準であり、新制度の処遇改善においては、専門性を持ち、質の高い保育を行うことのできる保育士等が 、安定的・ 継続的に働くことのできる水準を実現できる給付額に、 引き続き改善し 、 職員の定着・ 確保の仕組みを行うこと」を求めています

平成27年度人事院勧告分

要約すると「保育士の給料は周りに比べて低いから優秀な人材がいなくなる。だから、給料を改善して質の高い保育のできる人がやめないくらいの水準まで引き上げて職員を定着させうようね。」ってことなんですよね。

今の2%増は、この人たちのおかげですね。

ところでいくら上がるの?

保育士の給与の平均額が22万円って数字がどこから出たのかわかりません。わたしの給料は17万そこらです。そこから、厚生年金、社会保険、所得税を引かれ、2年目以降は地方税まで引かれます。

手取りで言えば残業をした際に14万円程度。平均からかなり差があるようです。私だけでないと思いますので一覧にしてみました。ご自身の給与がどうかわるのか確認してみてください。

現在の給与 2%改善 さらに2%
170,000円 173,400円 176,800円
180,000円 183,600円 187,200円
190,000円 193,800円 197,600円
200,000円 204,000円 208,000円
210,000円 214,200円 218,400円
220,000円 224,400円 228,800円

少なっ!

計算したらわかりますよね。もともと、給料が低いところから2%の改善って微々たるものです。ないよりはありがたいですよ。でも、書いていましたよね。

質の高い保育を行うことのできる保育士等が 、安定的・ 継続的に働くことのできる水準を実現できる給付額に、 引き続き改善し 、 職員の定着・ 確保の仕組みを行うこと

過去、何度も厚生労働省の調査で保育士が辞める理由って調査していますが、調査だけなんですね。

いくらだったら満足できるのか?

では、「いくらだったら満足するのか」という話です。

まずは、厚生労働省が発表している「非正規雇用」の現状と課題 の賃金ベースの表を御覧ください。

時給換算をすると正社員であっても非正規雇用(フリーター・パート)と変わらないんですよね。

最低でも2年間学校に通って、保育士になるために学んだ結果、非正規雇用と大差のない給料ということです。

日本の平均年収を男女別にみると男性で511万円、女性で272万円と結果が出ています。女性はパートが多い為、男女間で差が開いていますが。このパートも含まれている女性の平均年収以下で納得はできないですよね。

専門職なので、最低でも300万は欲しいところです。

それに保育の仕事はだれでもできる仕事ではありません。

給与が安い、割に合わないと感じる理由

「保育士は未来の日本を担う子どもたちを保育している」ことをよく考えて欲しいと思います。

保育士の仕事は以下の事柄も含まれます。

  • 個々の成長・発達に合わせた援助
  • 毎月の子どもの姿を考え、援助内容を立案(月案)
  • 乳児クラスは発達の差が大きいから毎月の個人案
  • 毎週、毎日の生活の流れをまとめた週案や日案

保育は子育ての延長線上ではありません。しっかりとした理論や研究に基づいて行われているんです。たった一つの行動に意味があるんです。

給料が全てとは言いません。それ以上のやりがいだってあります。

ですが、子どもたちの成長・発達を見守り、援助していく仕事の社会的価値が今の労働対価かと残念に思います。
「子どもと遊んでいるだけ」「子どもを見ているだけの簡単な仕事」と言われると、自分たちに言われた言葉を通して私たちに大事な子どもを預ける保護者と私たちに保育されている子どもたちも軽く見られているように感じます

4割も希望が通らない「保活」

子どもを保育園に入れるための親の「保活」について、厚生労働省が保護者に対して初の実態調査を行ったところ、施設を利用できなかったり、希望と異なる施設を利用したりした人が全体の約4割に上ることが28日、分かった。

4割が希望通らず 厚労省「保活」調査中間まとめ

この調査の方法にも問題があるかと思いますが、実際のところもっと保育園に言えれられないで悩んでいる方は多いと思います。保育士の立場として申し訳ない気持ちがいっぱいです。

待機児童問題も、保育園にいれられる基準を満たせなければ、隠れ待機児童となります。これは、”保育園にいれられないけど、待機児童ではない”ということ。

自治体によって基準は異なりますが、正社員であることが一つの条件とされているところもあります。じゃあ、これから就活する人はどうすの?って。

目に見える見せかけの問題を取り扱っていますが、もっと根深いわけです。保育の問題って。

詳しいことはこちらの本がわかりやすく書いています。

まとめ

現状、保育士の給与は国や地方の補助金で補填されていることを理解してます。

予算の兼ね合いもありますよね。高齢化社会だし、日本の赤字は国民1人あたり823万円なんて言われていますしね。保育士への予算(給料)を減らしたくもなるのもわかりますよ。

でも、給料の中から厚生年金、所得税、地方税も払っているし、給料が入れば教材研究もする。子ども達の為に経済を回している一員なんですよ。

給料が上がれば保育士からの税収も増えますよね。辞める職員が減れば、預けれるお母さん方の税収も増えます。保育士の給料を増やしたら国家としてマイナスになるんですか。

もともとの給料が間違いだと感じることはないのでしょうか。

そもそも、今回の2%で何がかわるのでしょうか

潜在的保育士が現場に戻ってきますか。今の保育士が辞めないですか。

わたしは今回の2%増の意味がよくわかりません。

もう、これ、手っ取り早く給料を上げたかったら転職しろってことですよね…。

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